DFP Africa Startup Brief (2025年12月実績(速報ベース))
アフリカのスタートアップ業界は、外部からは動きが見えにくい領域です。DFP Africa Startup Briefでは、アフリカ在住のDFPスタッフが現地で収集した資金調達やM&Aなどの案件情報を、解説とともにお届けします。
1. AsahiグループがDiageoのケニア酒類事業の過半数株式(65%)を取得
Asahiグループは、2025年12月17日にEABLのビール事業およびUDVKのスピリッツ事業の65%を取得に同意したと発表しました。本取引の総取引額は約23億米ドル、企業価値は約48億米ドルとされ、東アフリカにおいて過去最大規模のM&A案件となります。
Strategic Context
- Diageo:中核外の資産を売却することで純負債を約25%削減し、バランスシートの強化を図る。
- Asahiグループ:日本を代表するビールメーカーとして、アフリカのビール市場に対する初の大規模投資を実施。ケニア、ウガンダ、タンザニアを中長期的な成長市場と位置付ける。
- 示唆:飲料業界におけるアジア—アフリカ間の投資拡大を象徴する取引。ローカルブランドを維持しつつ、日本の資本およびオペレーション面での知見の投入により、事業基盤の強化と成長加速が期待される。
2. アフリカ・スタートアップ資金調達動向(公開情報に基づく速報ベース)
資金調達:再生可能エネルギー分野が2か月連続で牽引
(1)2025年12月
[Overview]
12月には、9か国の17社のスタートアップが資金調達を実施しました。調達金額ベースでは、ケニアおよびナイジェリアにおける2件の大型ディールを背景に、再生可能エネルギー分野(140百万ドル)が資金調達を主導した一方、取引件数では、フィンテック(4件)が引き続き最も活発な分野となりました。ラウンド別では、デットファイナンス(4件/ 115.5百万ドル)が全体で最大の割合を占めた一方、Series Aでの調達も5件と目立ちました。また、フィンテック、モビリティ、アグリテック、AI分野を中心にアーリーステージの資金調達も継続して確認されました。
[Facts]
資金調達総額
194.4百万ドル
9か国17社
国別
Big4(10社、計170.5百万ドル)
その他(5か国7社、計23.9百万ドル)
資金調達額上位
・Lagride (ナイジェリア, 再エネ): Debt, 100百万ドル
・Sun King (ケニア, 再エネ): Equity, 40百万ドル
・Nawah Scientific (エジプト, Biotechnology): Series A, 23百万ドル
本邦投資家による投資
ガーナ/ Carepoint (Healthtech): 3百万ドル/ Debt
投資家: JICA
(2)2025年累計
資金調達(公表ベース)
調達総額:計29.4億ドル(前年同期比37.4%増)
ディール件数:計319件(同60.8%減)
2025年1~12月の資金調達額上位5ディール
- ケニア/ d.light(再エネ、Debt):300百万ドル
- ケニア/ Sun King(再エネ、Debt):156百万ドル
- セネガル/ Wave(Fintech、Debt):137百万ドル
- ケニア/ Spiro(E-mobility、未公表):100百万ドル
- ナイジェリア/ Lagride (再エネ, Debt):100百万ドル

3. アフリカ・スタートアップM&A(公開情報に基づく速報ベース)
ユニコーンであるシンガポール発インシュアテックのBolttech、買収を通じてアフリカでの事業強化
2025年12月には4件の取引が報告されました。
これにより、2025年1月から12月までの累計取引件数は78件に達し、前年同期比で98%の増加となりました(下のグラフ参照)。


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戦略企画・調査部 Albert Mbithi, Emma Kiserema <insight@doublefeather.com>
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