タンザニア:モバイルマネーを含む15業種で外国人ビジネスを禁止。ローカライゼーション政策を強化(2025年8月15日)

1. はじめに
タンザニア政府は2025年7月28日、15業種(下図参照)に関して、外国人に対するビジネス・ライセンスの発行および更新を禁止する通達を発出しました(Government Notice No. 487A)。違反した外国人には、最高1000万シリング(約3900米ドル)の罰金が科され、最長6カ月の懲役やビザ・居住許可の取消が命じられる可能性があるとされています。

2. 規制の背景
スタートアップ業界で特に注目されるのは、「モバイルマネー送金サービス」が対象に含まれた点です。本通達の背景には、現地で中国人による小規模ビジネス活動の浸透に対する反発が高まっていたことがあり、10月に予定される大統領選・総選挙を控え、外国人による小規模ビジネス活動に制約を加える意図があったとみられます。しかし、規制対象に「モバイルマネー送金サービス」という文言が盛り込まれたことで、送金サービスを扱うキオスクでの営業にとどまらず、外国資本が関与するフィンテック事業者に影響が及ぶ可能性が出てきました。
3. モバイルマネー規制がもたらす影響
タンザニアのモバイルマネー・サービス市場は、Vodacom(M-Pesa、外資系)、Yas(外資+国内)、Airtel(外資+政府系)の3社でシェアの9割を占めています。現時点では規制の詳細は未定であり、実際にどのような影響が及ぶかは不明ですが、現地報道によれば、今後の展開次第では国内事業者との合併が必要になるなど、重大な影響を受ける可能性もあります。タンザニアでは、マグフリ前大統領(2015~21年在任)が外資に対して敵対的な姿勢を取った経緯もあり、今回のような規制は過去を想起させ、外資系VCなどによる投資意欲を減退させる懸念があります。
4. アフリカ投資への教訓
日本企業によるアフリカ投資・アフリカ進出への教訓としては、以下が挙げられます:
- 金融業種は規制業種であることを改めて認識する。
- ナショナリズムやポピュリズムなどの政治動向・規制動向について、事前のリスク評価に組み込む必要がある。
- 必要に応じて地場企業を巻き込む(規制対応型のガバナンス設計(出資比率・取締役構成・名義管理))。
- 主要国の政府系機関(DFI)も投資家に巻き込み、政策対話のチャネルを確保する。
- ポートフォリオの分散により、リスク分散を図る。
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仲川聡、Albert Mbithi、Emma Kiserema <insight@doublefeather.com>
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(Source)現地報道・現地情報ソースより